「ノンシリコン」がいいのって何故?

ここ近年、シャンプーやコンディショナーなどでは、「ノンシリコン」という言葉をよく耳にします。聞いた事がある方は多いでしょう。ノンシリコンシャンプーがいいとか、シリコンは良くないとか?

『そもそもシリコンって知ってる?』

ノンシリコンやシリコンフリーは言葉通り、シリコンが入っていない事を指しますが、「シリコン」を理解して使っている人は少ないのではないでしょうか?なんとなく、シリコンが悪者になっている気がしてしまう。

『シリコン』とは?

シリコンは地球の主要な元素のひとつ、ケイ素に化学的処置を加えた合成樹脂。ヘアケアや化粧品に配合されるときは、シリコンオイルというとろみのある油のような状態のものです。

シリコンオイルを塗ると、髪や肌に被膜をつくってコーティングします。シリコンは撥水性があるため、コーティングされた部分は水や汗をはじくようになります。ですので、ヘアケアだけでなく、水や汗で流れないウォータープルーフのファンデーションや日焼け止めにも使用されています。

〈メリット〉

このシリコン、ダメージヘアのケア成分としては、悪いものとはいえません。なぜなら、シリコンオイルが痛んだ髪の表面をコーティングして、キューティクルの剥がれや切れ毛などを予防することができるからです。そして、髪の手触りもさらさらと艶やかに整えてくれます。

「シリコンを使うことをやめれば、自然な艶がよみがえってくる。」などと話す方もいらっしゃいます。もちろん自然な艶が出るのであればシリコンは必要ないのかも知れません。しかし、自然な艶がよみがえるためには、髪に与えるダメージを少なくすることが大前提です。

髪は、紫外線や乾燥、ドライヤーの熱、カラーリングやパーマなどいろいろな要素がダメージの原因となります。そして、一度受けたダメージは自己修復されることはなく、5~6年かけて生えかわるか、ダメージを受けた部分を切るまで、そのダメージと付き合わなければなりません。ですので、シリコンをやめれば自然とダメージが修復される理屈はなく、ダメージを与えてしまっていれば、ダメージを目立たなくするケアが必要となってしまうのです。

では、髪にとっては一概に悪いとは言えないシリコンが、なぜ悪者扱いされるのでしょうか?

〈デメリット〉

まず、ひとつはシリコンが肌に付着すると、水に溶けにくく、コーティング力が強いため毛穴を塞いでしまい、頭皮の場合は髪が生えにくく、肌の場合はニキビや吹き出物ができるというです。

これだけ聞くと良くないように感じますが、「シリコンのコーティング被膜はガーゼのような網状の被膜のため、毛穴を塞ぐことはない。」とも言われます。確かに化学構造上網目であることは事実ですが、これも塗る量や塗り延ばす面積によっては、粗い網目にも細かい網に目にもなりますし、人の毛穴の大きさは常に同じではなくて、ホルモンバランスなどによって、毛穴周辺の角質が厚くなって毛穴の出口が狭くなっている場合もあります。ですので、通常の毛穴ならば塞がないけれど、出口が狭くなってしまっていれば塞いでしまうことがあるのかもしれません。

サロン専売品のシャンプーでも、シリコンは入っているものもあります。ただ、影響がでないように考えられたシリコンの濃度で作られていますので、そこまで神経質にならなくてもいいでしょう。ただししっかりとすすぎはしてください。すすぎ残しがあることによって、毛穴につまってしまったり、コーティングが蓄積して、カラーリングやパーマなどの薬剤が浸透しにくく、思い通りのスタイルにならないなんてことまあります。

まとめ

シリコン、ノンシリコン。どちらもいい悪いではなく、使い分けが大事。

肌トラブルを抱えている人や、使ってるシャンプーでかゆみなどが出た人は一度ノンシリコンシャンプーに変えてみるのもいのではないでしょうか?